タイヤに窒素ガスを入れる効果やメリットは?空気と混ぜても大丈夫?料金は?

皆さんは、タイヤに入れる『窒素ガス』って知ってますか?

通常、ゴムタイヤの内部は空気で満たされています。

この空気は、熱で膨張したり、空気中の酸素が発火の補助等を起こしたり…といった危険性があります。

そこで、より安全な充填気体として登場したのが『窒素ガス』です。

今回は、この『窒素ガス』について、メリットやデメリットも含めて調べてみました。

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タイヤに窒素ガスを入れる効果やメリット・デメリット

<効果・メリット>

  • 窒素ガスは空気に比べてゴムを通りにくい為、空気圧が下がりにくい
  • 酸素をほぼ含まないので、発火の危険性が低い
  • 酸素をほぼ含まない=酸化を防ぎ、ゴムやホイール等が長持ちしやすい
  • 燃費が良くなる

 

<デメリット>

  • 充填に料金がかかる
  • 窒素ガス充填に対応している店舗でないと充填できない
  • 上記メリットを(目に見えて)実感出来るかというと…ちょっとアヤシイ

まずは効果やメリットから調べてみたいと思います。タイヤに窒素ガスを入れると、空気を入れた場合と何が違うのか。

 

空気圧が低下しにくい

しばらく空気圧をチェックしていなかったら、いつの間にかだいぶ空気圧が低下していた…

そんな経験、ありませんか?

実は、空気中の酸素はゴムを通り抜けやすい為、何もしていなくてもタイヤの中の空気は少しずつ抜けているのです。

これに対し、窒素は酸素よりもゴムを通り抜けにくい性質の為、空気圧が低下しにくい、と言われています。

実際、天然ゴムのガス透過係数(気体の通り抜けやすさ)を調べてみると

  • 酸素:0.8
  • 窒素:0.3

となっています。

この数字は、小さいほどゴムを通り抜けにくいので、窒素が酸素よりもゴムを通り抜けにくいことは科学的に証明されている、ということですね。

 

発火の危険性が低い

物が燃える為には、酸素が必要、というのは皆さんもご存知かと思います。

通常、タイヤの空気圧調整時に充填している『空気』には、当然酸素が含まれているのですが…

事故等が起きた際の出火を助長し、燃焼が酷くなる可能性があります。

一方、窒素ガスには、ほぼ酸素が含まれていません(全く含まれていないワケではありません)。

その為、発火の危険性が低く、事故等でいざ出火があったとしても、燃焼を助長する心配がないので、その分安全です。

 

タイヤやホイールが長持ちする

空気中の酸素は、物を『酸化』させてしまう性質があります。

これはタイヤのゴムやホイールに対しても同様で、ただ『空気に触れている』というだけで、少しずつ劣化していくと言われています。

これに対し、先述の通り、窒素ガスには酸素がほぼ含まれていません。

酸素が含まれていない=酸化しない為、タイヤやホイールが長持ちすると考えられます。

また、空気に比べて空気圧が低下しにくいので、(空気圧不足からくる)タイヤの偏摩耗等を防ぎ、タイヤの寿命を長くすることができます。

 

燃費が良くなる

空気圧が低下していると、タイヤが接地する部分が増えるので、走行時の摩擦抵抗が増えます。

摩擦抵抗が増えるとどうなるのかというと…ズバリ、燃費が悪化します。

例えば、自転車に乗っている時。

極端な空気圧の低下=タイヤがパンクしている状態だと、ペダルが重くなりますよね?

自動車にも同じことが言えるワケです。

空気圧が低下しにくい窒素ガスなら、空気圧が安定している為、摩擦抵抗が増えにくく燃費が良くなると考えられます。

 

…以上、メリットを挙げてみました。

これだけメリットがあるなら、窒素ガス充填がもっと一般的になっても良い気がしますよね。

でも、思ったより広まっていないということは、デメリットがあるのでは…?

ということで、続いてデメリットについて、ご紹介します。

 

充填に料金がかかる

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まず一番のデメリットは、窒素ガスの充填は無料ではない、ということでしょう。

窒素ガスを入れるには、タイヤ中の空気を一度全て抜いてぺっちゃんこにしてから窒素のみを充填する必要があります。

この作業、店舗による違いはありますが、相場としては概ね500円/1本4本充填すると2,000円位かかります。

そこまで高価なワケではありませんが、通常の空気圧調整が無料だということを考えると、ちょっと考えてしまいますね。

また、空気圧が低下しにくいとはいっても、全く減らないワケではありません。

空気圧が低下すれば、当然窒素ガスの補充が必要となり、その度に料金が発生する可能性があります。

一番最初の充填をすれば、その後の補充は永久無料、というサービスを行っている店舗も多々ありますが、これも充填を行った店舗限定の場合が大半です。

そう考えると、なかなか手を出しにくいところではあります。

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対応している店舗でないと充填できない

以前はタイヤショップがメインだった窒素ガス充填。

最近では、ガソリンスタンドでも窒素充填に対応する店舗が増えてきました。

とはいえ、ガソリンスタンドならほぼ全店舗で空気圧調整が出来るのに対し、窒素ガス充填対応店舗はまだまだ少ないです。

地方に行けばなおさらで、近くに対応している店舗がない、という場合も。

お出かけ前の空気圧チェックの為に、わざわざ窒素ガス充填対応店舗まで出向く、というのもおかしな話ですからね。

 

メリットが実感しにくい

個人的な感想になりますが、先述のメリットは正直実感しにくいです。

空気圧は、マメにチェック・調整している人であれば通常の空気で十分でしょう。

発火や燃焼の危険性については、事故でも起こさない限りはまず気にすることではありません。

燃費に関しても、元々は空気圧が関係してくるものですので、こまめなチェック・調整で十分対応可能です。

そう考えると、メリットはかなり限定的であるとも言えます。

ただ、限定的であるとはいえ、効果は確実にありますので…実際に窒素ガス充填をするかどうかは、メリット・デメリットを自分なりに考慮して判断するのが良いのではないでしょうか?

 

 

空気が入っているのに、または窒素が入っているのに、混ぜても大丈夫?

ところで、いざ窒素ガス充填をする(した)として…気になるのは、空気と窒素を混ぜても大丈夫なのか、ということですよね。

先程も述べましたが、窒素ガスを充填するには、タイヤ中の空気を一度全て抜いてから窒素のみを充填する必要があります。

通常の空気タイヤの場合は、ガソリンスタンド等で空気圧調整を無料で行ってもらえますが、窒素ガス充填タイヤの場合は対応店舗での補充となる為、こまめに補充するのは難しくなります。

ここで悩むのが『空気と窒素は混ぜても大丈夫なのか?』ということだと思います。

 

結論から先に行ってしまえば、空気と窒素は混ぜても全く問題ありません

そもそも、空気中の約80%は窒素なので、混ぜたところで特別な化学反応が起きたりすることはないのです。

だからといって、窒素充填タイヤにこまめに空気を入れていると、せっかくの窒素充填タイヤがただの空気タイヤとなってしまいますのでご注意を。

 

 

まとめ

さて、窒素ガス充填のメリットやデメリット等を色々と挙げてみましたが、どうだったでしょうか?

結局のところ、自己満足的な要素が多分にあるような気もしますが、効果は確かにありますので、余裕のある方は窒素充填してみるのもアリかと思います。

 

窒素ガス充填タイヤにしろ、通常の空気タイヤにしろ、大切なのは『定期的な空気圧チェック』です。

これを怠ると、燃費の悪化やタイヤの劣化を引き起こし、タイヤがバーストして立ち往生、などという痛い目をみる結果にも繋がります。

自動車も人間と同じ。

定期的な健康診断=メンテナンスを実施して、いつまでも『良い状態』を保つようにしたいですね。

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