ビューティフル・モンスターとCMで謳っていますが、かなり美しいフォルムになりましたね。カムリといえば「オジサン車」のイメージでしたが、若々しくなったように思います。
自動車ジャーナリスト達も新型カムリに高い評価をしていますし、とても良い車に違いない!!
ということで早速試乗をしてきました。
今回のその試乗記になります。試乗で感じたことを正直に記事にしました。
評価軸となるのはBMW 320i・ベンツCクラス・アウディA4ですね。価格帯は全然違いますが、カムリはトヨタが欧州プレミアム勢を意識して作った車なので、評価の比較対象としたいと思います。特にBMW 320iはマイカーとして所持しているので、比較が多めに出てきます。
長文ですが最後までご覧いただけると幸いです。自動車ジャーナリスト達がツッコまないネガティブな部分もガンガン言うので、多少読み応えはあると思います。
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新型カムリ試乗レポート 【エクステリア編】★★★★☆
顔は中々カッコイイと思う

正直、最近のトヨタ車はヘンテコなデザインの車が多く、とにかく目立とうとしている感が否めませんでした。シエンタ・プリウス(C-HRもかな?)・ヴィッツなど、普遍的な美しさが感じられないものばかりです。
カムリはその行き過ぎたデザイン感がちょうどよく薄れてきたと思います。良い意味でちょっと普通になりました。新型カムリの顔も個性的な部類に入ると思いますが、プリウスのような宇宙人ぽさも無いし、個人的にはキライではありません。
他の車と違うデザインの顔なので、スレ違うときなんかは視線を奪われるんじゃないかと思います。「ん!?なんだあの車は?」と注目されると思います。適度に高級車感がありつつ、スポーティで「走りそうだな」という印象を受けます。
全体のフォルム
顔と同じくらい進化したのが、全体のフォルム!
最近、欧州の高級車ではクーペとセダンをミックスしたようなスタイル(アウディA5みたいなの)が流行っていますが、そのテイストをとりいれたようなフォルムになっています。サイドからのフォルムは中々美しいですね!それにルーフも低く抑えられているのでスポーティ。
若くなった顔のデザインと合わせて随分と「オッサン車」のイメージが薄くなりました。トヨタがビューティフル・モンスターと謳っていますが、たしかに美しく若い車に進化したなという印象を受けます。
ただ、フォルムは美しいものの、なんか全体的に”薄い”気がします。高級車ってボディが肉厚というかドッシリしているイメージなのですが、カムリはなんか薄い。もしかしたら私がドイツ車が好きだからというのもあるかもしれませんが、なんかセクシーな感じが無い。フランス車だってムッチリしていてセクシーだ。
とはいえ、この若干華奢な感じはトヨタが意図したところだと、何かのネット記事で見たことがあるので、それが狙いなら文句は言いません。ドイツ車のようなドーンとした骨太フォルムよりも、カムリは華奢で女性的な美しさを狙ったのでしょう、きっと。
リアはなんか寂しい。これで良かったのか??

顔、フォルムと進化が感じられるもののリアがなんか寂しい。寂しいというか普通すぎるというべきでしょうか。スポーティと高級感をミックスした顔、美しさを感じさせるフォルム、と来てリアを見るとアレ?っとなります。
テールランプはLEDで夜になると存在感がしっかりあると思いますが、ソレ以外になんか目を惹くところが無いです。なんとなくデザインしたというか、普通にまとめちゃった感があります。
普通は普通で良いのですが、顔やフォルムの頑張り具合からすると寂しさを感じずにはいられません(頑張られすぎるのもイヤですが)どのように言えばいいのか分かりませんが、後ろ姿にオーラが無いです。
マツダアテンザとかのほうが後ろ姿は「おっカッコイイね」と思います。
【インテリア編】★★☆☆☆
高級感&安さっぽさの変なコラボレーション
試乗車はGグレード。3つあるグレードの内、真ん中です。お値段は車両価格350万円!それに見合った高級感があるかどうか……!
ガチャっ
ドアを空けて私の目に飛び込んできたのはなんともチグハグな光景でした。それは高級感と安さが同居していて違和感を感じたからです。
いかにも最近の車らしいデザインのメーター周り、そしてツヤを放つセンターパネル、タイガーアイと呼ばれるシフト周りのトリム等など、なかなか高級感を感じます。パッと見た感じ、「おっ!」となりますよね。


ここまでは良い雰囲気ですね~。
で、問題は次。
ドアを空けたときに同時に目に飛び込んできたファブリックシートの質感が、さきほどのインテリア類と明らかにミスマッチング。カムリの室内に、2010年代の質感と1990年代の質感が同居しているような感じとでも言いますか……

↑シートだけに目をやると、インテリア類に対して明らかに質感のバランスがおかしくないですか??
いや、私はファブリックシートは好きなんです。夏でも蒸れにくいし、汚れは目立たないし、機能性の高い素材であることを知っています。以前乗っていた車も今乗っている車もファブリック素材が使われているシートです。
とはいえ、この新型カムリのファブリックシートの質感……。色が薄いグレーで安っちぃ雰囲気満点です。伝わりますでしょうか、この昔の車っぽい質感……。ファブリックシートが悪いとかじゃなくて、ファブリックシートでももうちょっと良く見せる工夫ができたのではないかと言いたいです。かろうじてシートのセンター部分(背中を預けるところ)にブラウンのデザインが施されていますが苦し紛れな感じで、なんのためのデザインか分かりません。(しかもシートは電動なのは良いけど、操作スイッチが無機質なプラスチックだし……内装の質感が得意なトヨタじゃなかったのか??)
なのでシートから前の方を見ると「最近の車だな~」と感じますが、シートを見ると「ガクッこれ350万円だよね?」となります。座ってしまえばシートの質感なんて目に触れず、メーターやピアノブラックのインパネしか目に入りませんが、ドアを空けた乗り込むときにも少しは高級感を感じたいじゃないですか。
この車、車両価格350万円、諸費用コミで400万円くらいはするでしょう。それくらいの価格がしたら「我ながらこの車惚れ惚れするよなぁ」と思える要素が欲しいです。外観のデザインは所有感を満たせるものなのに、ドアを空けた瞬間の残念感は落差が激しい。
350万円のスポーツカーならインテリアの質感が大したこと無くても、自分で理解納得できますが、一応高級車として位置づけているのですから、もうちょっとなんとかしてほしい。
GレザーとGグレードの価格差70万円って……
ネットの画像でよく見かける高級感満載の内装はGレザーパッケージ。あちらはベージュ内装でかなり高級感を感じられる。もちろん汚れは目立つという弱点はあるけど、ドアを開けるたびに「この車買ってよかったわ、最高」と自己満足に浸れるのは間違いありません。
ただ「G」と「Gレザー」では価格が全然違います。お値段差70万円……!軽自動車買えるやんけ……。Gグレードの内装をグレードダウンさせて、Gレザーを買わせようとするトヨタの戦略が見え隠れします(そう思うのは私だけ??)
350万円以上の高級セダンを買うならどっちを選びますか??
- 「Gレザーが良いけど高くて買えないから、Gグレードで納得するオレ」
- 「420万円するけど高級感満載のGレザーを買えるオレ」
当然、後者を選びますよね。私だったら意地でもGレザーを選択してしまうと思います。そうさせるためにGグレードを安っぽくしてあるのでは……??いや考え過ぎか……
もちろん、Gグレードを買ってシートカバーを付けるというのも手ですが、シートカバーは滑るし、やっぱり微妙に浮いている感が否めないし、乗っていて満足できません。それにシートカバーをかぶせたらせっかくのファブリックシートのメリットが感じられないし……。もし自分であればやはりGレザーを買います。
(ちなみに営業さんが言っていたのですが、Gグレードを購入されたお客様がいて早速シートカバーを装着していたそうです。やっぱり私以外にも気になる人は多いと思う)
カムリのファブリックシートについてネガティブなことを散々言ってきましたが、コレは私が「これだけの高級車に乗るなら内装もそれなりが良い」というだけのことであり、あまり高級感を求めないという方であれば何の問題も無いと思います。レザーよりもファブリック至上主義の方もいると思いますし。
ちなみにシートの座り心地などは良かったです。シートはどちらかというと柔らかめで、ドイツ車などのシートが硬いと感じる人にはコッチのほうが好感が持てると思います。それにシートが広く体をシッカリ預けられるなと思いました。運転中も体が滑ることもなく、安定しておりました。ファブリックシートのメリットはしっかりと感じることができましたよ。
ピアノブラックを使えば良いと思っている感がある

(↑なんだこの意図が理解できない斜めのセンターパネルは…??)
最近のトヨタ車に乗ると、とにかく目につくのがピアノブラック素材。ピアノブラックはツヤがあり高級感を感じるパーツとして、幅広く色んな車に使われていますが、最近のトヨタ車はとにかくコレを用いている気がします。
もちろんピアノブラックを用いるのは悪いことではありません。ただその使い方というか、「なんとなくピアノブラックを使っておけば高級感でるでしょ」的な気持ちでインテリアに使っているのが伝わってきてしまいます。
新型カムリはセンターパネル部分(ナビ周り)にピアノブラックを使っていますが、まぁこれが何も考えられていません。インテリアデザインと調和しているとは思えないです。とりあえずそこに使っているだけ。
ユーザー目線で設計していたら、そうならないでしょう
何も考えていないのがよく分かるのが、ナビ周りのスイッチを触ろうとしたとき……。(さっきの画像をよく見れば分かると思うのですが、ナビの横にチョコチョコ付いているシルバー部分)
ナビ周りのスイッチは結構小さくて、触ろうとするとピアノブラックの部分にも一緒に触れてしまいます。運転中は多少感覚でスイッチを押しますから、ピアノブラックに触れずに毎回スイッチだけを押すのは難しいです。指紋が付きやすく日光が当たったときに目立つ素材なのに、触れてしまいやすい設計になっているなんて「とりあえずピアノブラックを使った」としか思えません。
トヨタさんよ……ちゃんとユーザーのことを考えて実走行テストしたのか??ユーザーのように普段運転する感じでテスト走行したら、ナビ横のスイッチを触る時にピアノブラックも一緒に触っちゃうことに気づくでしょう、普通。新型カムリは北米で人気の車みたいだが、アメリカ人はそういう細かな部分(指紋が付くとか)を気にしなくても日本人は神経質だから気にする人が多いと思いますよ。もっとユーザー目線で考えてくださいよ……
それにピアノブラックを使っている面積が大きく、そこだけを見ると高級感があるものの、ちょっと離れて見るとインテリアデザインとのミスマッチ感を感じます。逆にもうちょっと範囲を狭めてピアノブラックを使ったほうが”品”があったのではないかと思います。インテリアを一つのデザインとしてみた時に、まとまりが感じられません。そう考えるとセンター部分のよく分からない斜めになっている所の造形も気になってきますし、何をしたいのかよく分かりません。機能を体現するデザインじゃなくて、デザインのためのデザインなのでしょうね。
こういうところにトヨタの「目新しさを追っている感」が現れています。外観のデザインはその傾向が影を潜めてチョット落ち着いてきたのかなと思いましたが、内装はまだまだその傾向が残っていました。高級車なんだからそういう変なコトはしないでほしかったです。普通に機能的でバランスがとれたインテリアデザインが良かった。
C-HRの試乗したときにも同じことを感じました。なんかこう高級感のあるパーツで薄いデザインを隠そう(ゴマかそう)というか………最近のトヨタ車何車種かに乗ってみると、そういうのが如実に伝わってきます。
トヨタC-HR試乗記!ハイブリッド・4WD両方乗ったんだが、スゲー良くてビックリした。なるほど人気でるわな
スバル車の200万円台と質感は大して変わらんぞ
ぶっちゃけた話、Gグレードの高級感・質感はスバルの新型インプレッサの方が上orもしくは同レベルくらいなんじゃないかと思います。スバルの新型インプレッサもしくはXVは200万少々ですが、以前に比べてかなりの質感になっており、以前のスバル車の感覚で乗ってみると質感の高さに驚くはずです。それに無駄にデザインのためのデザインをしていないので、シンプルでまとまりがあります。
スバルXV新型 試乗してきた!【外車かコレ!?】乗り心地も良いし、安定感も凄いし、クラスを超えてるわ
Gレザーグレードはベージュ内装で室内の雰囲気が良いから高級車だなと思えますが、Gグレードはいろんなところの粗がチョイチョイ見えて逆に安っぽく感じます。この価格帯の車を買う人の中にはコダワリを持っている人も多いと思いますから、「これくらいで良いでしょ」的な仕事はしてはいけませんよ、トヨタさん。
やっぱりGグレードとGレザーの内装の雰囲気差を激しくしてGレザーをメインに販売しようという戦略なのか??
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ドア内側のデザインも手抜き

なんかこう、カムリのインテリアは本当に「とりあえず感」が見え隠れします。アチラコチラ、いろんな所に。
よくあるセダンのドア内装をとりあえず当てはめたような感じで、デザイン性や高級感は皆無。ただのドア内側です。スイッチ素材やスイッチ周りの質感も安っぽいし、なんかもうダメです。

それにドアについているドアポケットも、コレ実は結構使いにくいのでは……??試乗中はドリンクを置いたりはしませんでしたが、ドアポケットの上にウインドウスイッチや手を置く部分があるので、ドリンク類が出し入れしにくいと思いました。

まぁドリンクはシフトノブ横のホルダーに入れるでしょうから、ドアポケットにドリンクをいれることは無いと思いますが、クセでドアポケットにとりあえずものを置いてしまう人は多いのではないでしょうか?そういうときにドアポケット上の手を置く部分が邪魔になると思います。
ナビのフォント(表示形式?)がダサい

これもチョット気になった。機能性は満たしていると思いますし、字を読めないとかそういうのもありません。でもフォントがちょっとダサい……(フォントというか表示の仕方というかナビ全体がなんか古くさい)マップ画面のときとか別に気にならないときもありますが、なんだあの燃費表示の画面は……。全然イマドキじゃない。正直数年前のナビなのか?と思ってしまいました。(画像よりも実物で見てみれば雰囲気がよく分かると思います)
必要な情報はキチンと表示できていると思うのですが、そこに満足してプラスアルファが無い。「画面がキレイだな」とか「オシャレっぽいな」というプラスアルファの要素が欲しい気がする。高級車って機能性以外の満足度が大事だったりするじゃないですか。
アウディ、ベンツ、BMW等など、これらの車種に乗ったときに「字体(フォント)がカッコイイなぁ」とか思ったことは無いですが、カムリに乗ってみて改めて気づきました。欧州プレミアムブランドはフォントにもちゃんとこだわっていたんだな……と。(外車勢は逆に目的地案内のレベルが低くて困ることが多い)
トヨタさんよ、価格帯は違うかもしれませんが、欧州プレミアム勢と真っ向から戦う車のつもりなら、フォントにもちゃんと気を配ったほうが良いと思いますよ。(ナビはオプションだからトヨタ製のものかどこか電機メーカーのものか知りませんが、これじゃあチョットね)
室内は広く後席もスペース十分!それに乗り降りしやすい!
乗ってみるとセダンとしてはスゴく広い!!マイカーBMW3シリーズよりも全然広いと思いました。外観から想像するよりも中は十分なスペースが確保されています。多分、乗ってみると多くの人が「あれ?意外と?」となると思います。
特に後席の広さは想像以上でした。座った時に足元も広いし、膝から前シートまでも余裕があるし、頭上だってキチンと空間があります。ウーン、これはかなり快適です。マイカーBMW3シリーズとは大違い……。


↑前シートまでスペースがあって広いです。(私の身長は160センチ少々)

↑駆動方式がFRじゃないので、後席足元の真ん中が出っ張っていません。実際は結構広く感じます。
マイカーは後席のスペースは割とあるのですが、シート左右両端が隆起していて5人乗りはちょっとツライです。それにサイドシルの幅が広く、降りる時に足を伸ばさなければなりません。(車から地面までが遠い)でもカムリは乗り込み口も広く、楽々乗り込めます。後席の作りや快適性は完全にカムリの勝ちです。

アウディA4も中々広いですが、カムリには敵いません。ベンツCクラスの後席は広さでは話になりませんので論外。
新型カムリは全長が4900もあるので室内スペースが広いのは当然といえば当然かもしれませんが、国産車ならではの利便性の高さを感じました。
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【走行性能編】★★★☆☆
乗り心地・静粛性
試乗車は17インチホイールを履いていたのですが、非常に乗り心地が良かったです。段差を乗り越えたときの衝撃も非常に穏やかに受け止めてくれます。多少の凸凹なら衝撃がほとんど伝わらずに走ることができ、シッカリと足回りが仕事をしていました。乗り心地はどちらかというと硬めの部類に入ると思いますが、柔らかさも兼ね備えており、しなやかという表現が適していると思います。
試乗中はキレイな路面から凸凹する路面までいろんなところを走ってみましたが、運転中に不快だと感じるようなことは一つもありませでした。大きめの段差では多少ボコンとなりますが、不快感はゼロで車内にイヤな感じは伝わってきません。ホント、トヨタ車がここまでしなやかな足回りになっているとは驚きです。
BMW3シリーズ、ベンツCクラスよりも乗り心地が良い(マイルド)
3シリーズと比べると街乗りの乗り心地ならカムリの方が上だと感じました。マイカーは18インチでランフラットタイヤなのもありますが、それにしてもカムリの乗り心地のしなやかさは中々のモノです!ベンツCクラスやアウディA4と比べても、カムリの方が乗り心地が良いですね。ドイツ車は人によって「硬い!」と感じる人もいますから、カムリの方が多くの人に好まれる乗り心地だと思います。
カムリのホイールは18インチ仕様もあるのですが、乗り心地と快適性とバランスが1番保たれているのは17インチホイールでしょうね。18インチはスタイリング重視のホイールであると言えます。とはいえ18インチでもそこまで乗り心地が犠牲にならず、快適性はある程度保たれると思います。
静粛性
ある程度の高級車だとドアを閉めた後に「シンっ」と無音になるような感じがありますが、カムリはそこまでの静粛性ではありません。とはいえ中々静かでロードノイズなどがウルサイな~と感じることはありませんでした。クラウンの静かさには敵いませんが、一般的にいえば結構静かな部類に入ると思います。
ただ、エンジンはウルサイと思いました。エンジンのウルサイ件については↓で後述しています。
エンジン性能

正直、かなり速いです。ディーラーから出てまっすぐの道をいつもの感覚でアクセルを踏んでみたのですが、あっという間に60キロまで加速しました。静かにスーッとかなりの速さで加速していくので驚きです。これはハイブリッド車じゃないと味わえない加速感・フィーリングですね。トヨタいわくに排気量3L車並の加速力ということですが、ホントにそれくらい速かったです。
BMW3シリーズ320iよりも全然速いと感じました。マイカーでそれくらいの加速感を出そうと思ったら、結構アクセルを踏まなければいけません。ハイブリッドパワーってすごいなぁ……。
エンジンが「ブエェェエエ」とうるさいし、加速しない
モーターで走っているときは静かにスゴイ加速をするので「洗練されたフィーリングだなぁ」なんて思っていました。しかしエンジンが動き始めると、さっきまでの洗練された感じは一気に失せ、急に安っぽい感じになります……。
『なんじゃこりゃ』
エンジンで走ると加速していくときに「ブエエエェエ」という音がかなり聞こえます。街中走行でよく使う50キロ、60キロくらいの速さでもブエエエエっという音が車内に結構入ってきます。もし、音質が「グオーン」とスポーティなら音が聞こえてきても心地よく感じますが、ただエンジンが唸っているだけで、とても気になります。
BMW 3シリーズだと加速していくとグオオオーン、グオーン、グオンと、リズミカルに程よい低音が室内に聞こえます。段付きで、小気味よく、運転が楽しいです。思わず加速したくなるというか運転が楽しくなるようなフィーリングがあるんですね。その点、カムリのエンジンは「ブエエエエ」と鳴り続けるだけでスポーティでもなんでもありません……正直言って、まるでセッティングされていないエンジンかと思いました。しかもエンジン音が大きいからそれに比例して加速していくかと思えば、エンジン音だけがどんどん大きくなって加速力は付いてきません。
モーターで走っているときは洗練されていて高級車・イマドキの車というフィーリングですが、エンジンがかかると途端に安い車の雰囲気に変わります。ここ、正直結構残念なポイントでした。
2.5Lエンジンなんだから、もっと上質なフィーリングにできたのではないかと思えてなりません。
車体性能・安定感
ロールは程よくあります。BMW3シリーズ・ベンツCクラスと似たようなロール感でした。高級車っぽいゆるさをもたせた感じです。だからといって安定感が無いかというとそんなことはありません。街中の運転でも車のドッシリ感が感じられ、安定性は高いと思いました。
カーブするときにヨレるような感じや、フラフラするような感じはありませんでした。むしろシッカリ接地している感じがあったと思います。
高速道路ではちょっとわかりません。試乗は街乗りのみでしたが、あの感じだと高速道路でも安定感があるのではないかと想像しています。私的には高速道路でも車体性能に不安を感じることはないと思っているのですが、エンジンの方が気になります。
街中でアレくらい音が気になるのに(音質・音量)高速道路でハイスピードクルージングしたら、車内はどんな感じなんだろうと思ってしまいます。
ハンドリングはかなり良かった!!

カムリを運転していて思ったのがステアリングの良さ。重すぎず、軽過ぎず、非常に印象が良かったです。私はどちらかと言うと重めが好きなのですが、それでもカムリのフィーリングは結構良いと思いました。
ステアリングを動かした分だけ素直に車が動いていくし、動きがつかみやすかったです。駐車するときでもハンドルを軽く回すことができ、非常に扱いやすい。それに小回りも効くのも良かったですね。
繰り返しになりますが、このステアフィールは非常に好印象でした。
【まとめ】
良いところ
- モーター走行時の洗練されたフィーリング
- 若くなった顔・美しいフォルム
- 広い室内
- シートの座り心地・ホールド感
- 素直なステアフィール
- 硬すぎず柔らかすぎず、しなやかな足回り
ダメなところ
- リアデザインのとりあえず感
- インテリアデザインのなんとなく感・手抜き感
- ピアノブラック素材のとりあえず感
- ファブリックシートが安く見えすぎる
- 機能性よりも、デザインのためのデザイン重視
- GレザーとGグレードの価格差がありすぎる
- エンジンがかかるとブエエエという音が室内に結構聞こえる
- エンジンがウルサイ割に加速しない
新型カムリの試乗レポートはいかがでしたでしょうか??試乗で感じたことをぶっちゃけでアレコレ書きました。
発売前から自動車ジャーナリスト達がこぞって褒めちぎり、非常に評判の良い車だったので、かなり期待をして試乗しました。そのせいか色んな粗部分が見えてしまったのかもしれません。
もし、自分が新型カムリを欲しいかと言われたら………正直そこまで欲しいとは思いません。
新型カムリはトヨタ車とは思えないほど洗練されたフォルムですし、顔もカッコよくなりました。室内は広く、快適性が高いです。HYBRIDの加速力だってスゴイし、しなやかな足回りは欧州車に近いレベルになりました。
ただ、ところどころに見え隠れする”粗”がそれを台無しにします。特にダメなのがインテリア……デザインのためのデザインに終止しており、パッと見た感じは高級感があるのですが、よく見ていくと機能性が伴っておりません。欧州外車勢のインテリアがいかにデザイン性と機能性を両立しているかが分かります。(いやモチロン外車勢だって微妙な所はありますが)カムリのインテリアは色んなところに「とりあえず感」「なんとなく感」が見られ、機能を伴ったデザインが本当に希薄です。真新しさやパッと見の豪華さを追っているようにしか見えません。

それにレザーパッケージじゃないとファブリックシートの質感が安っぽすぎる。ファブリックシートは良いけど、もうちょっと上質に見える工夫が欲しかった。「オレの車は高級車だしカッコイイなぁ」と思っていてもドアを開けるとガッカリします。かといってGレザーパッケージは70万円も価格が上がるし。
これくらいの価格帯となると多少のステータスや見栄も意識しちゃうと思うんですよね。友達・仲間・同僚を乗せた時に「おおースゴイ高級車だね~」と言われるか言われないかは大きな差だと思います。それにもし、クラウンに乗っていれば「クラウンだ!」となりますが、カムリだと「ん?カムリってどういうの?」となります。このイメージや、どう思われるかという部分も非常に大事。それがクラウンにはあってカムリには無い。であればクラウンを買いたくなります。
あとエンジン。これがダメ。エンジンがかかり始めると上質なフィーリングが消えて、一気に安い車に乗っている気分にさせられます。加速時にブエエエエエと安っぽいエンジン音が車内に結構聞こえて、加速力も全然です。これは10年以上前のエンジンなのか??カムリにBMWのような楽しさを求めるわけではありませんが、もうちょっと粗が目立たないように上手なセッティングをしてほしいものです。
私、試乗すると大体「あ~良いなぁ」と思うのですが、カムリは色んな部分がホント気になりました。トレンドを追って今っぽく仕上げるのは良いと思いますが、力を入れていない部分は手抜き感が感じられたり、ごまかし感があったりするところが腹立たしいです。足回りや車体性能などの根幹部分はイイモノを持っているのに、色んな部分が魅力をダウンさせています。トータルでこんなに魅力を感じない車は初めて?かもしれません。
トヨタはカムリで日本のセダン復権を狙っているようですが、正直言って多分ムリです。トヨタよ、新型カムリはこれで良かったのか………?もしカムリを買うよりだったらクラウンの方を買いますね。
それでは今回はこの辺で……長文でしたが最後までご覧いただきありがとうございました。
みなさん良いカーライフを♪
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